お題に挑戦してみました。ドラマと原作入り乱れ、シリーズ物の設定になっているのもありますし、全然関係のないものもあります。


    お題配布先:文章修行家さんに40の短文描写お題 


 

00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。

双極子です。ツキキワに間借りしております。最近サイトをはじめました。

簡潔な表現と言う言葉は双極子の辞書にはゴザイマセン。

頑張ります(汗)


01. 告白 (ドラマ・在学中)

パタパタと階段を上る音がする。

もうすぐ彼女の手が重い屋上への扉を開けるだろう。

俺はゆっくりと振り向く。

「ヤンクミ、俺さ・・・」


02. 嘘 (ドラマ・卒スペ)

「よし。一度決めたんならとことんまで頑張れ!」

本音はアフリカなんて行くな、だけど。

お前の瞳があんまり強いから、先公の虚勢、張らせてよ。


03. 卒業 (原作・卒業式)

生徒達が三々五々、散っていく。

残されたのはがらんとした教室。

一人で泣こうと窓辺に立ったら、ふわり優しい腕。

「俺は、お前のそばに居るから。」


04. 旅 (原作・在学中)

北の大地は秋の気配だ。

恋に決着をつけるにはいい季節かもしれない。

「君だって捨てられないだろ?」

こう言えば困ると知っているくせに。

俺は、ずるい。


05. 学ぶ (原作・在学中)

ざわついた汚い教室で、一心に板書する彼女の細いうなじを眺める。

教科書を持って教室を回る彼女の口元を見つめる。

数学なんて頭に入らないけど。


06. 電車 (原作・卒業後)

ふたり並んで吊革にぶら下がる。

夕日に照らされるあいつの横顔を盗み見る。

澄ました顔、しやがって。

ちょっとときめいたなんて言ってやるもんか。


07. ペット (ドラマ・卒業後)

丸まったり拗ねたり眠ったり。

俺のベッドでのんびり寛ぐ黒い毛の可愛いペット。

「沢田〜お腹減った〜。」

せめて男と認識して欲しい。


08. 癖 (原作・卒業後)

無愛想だけど本当はわかりやすい。

「ったく、いい加減にしろよ。」

不機嫌そうな声を出すけど、

前髪を左手で掻き上げるから、わかるんだ。

ほら、照れてるだけ。


09. おとな (原作・卒業後)

「ガキは家に帰ってろ。」

昔は言い返せなかったけど。

どかり、彼女の背後の敵を殴り倒して。

「お前の背中位、守れる。」

ついていくって、決めたから。


10. 食事 (ドラマ・在学中)

土鍋から湯気が上がっている。

皆の箸が伸びては口に運ばれる。

「大勢で食うと美味いだろ。」

得意そうに笑う彼女の温もりに

不覚にも鼻がつんとした。


11. 本 (ドラマ・卒業後)

そんなものは机上の空論だ、と彼女は言った。

「大切なのは真心だろ。」

そうかもしれないけど。

ガキがお前に近づくには必要なんだ、勉強って奴が。


12. 夢 (原作・卒業後)

彼女と離ればなれになって、もう半年。

先輩弁護士の無理難題にもだいぶ慣れた。

選んだ道は辛く険しいけれど。

これも彼女を守って生きるため。


13. 女と女 (原作・結婚直前)

ふたり並んで包丁を使う。

我が家の味を伝えていく。

経験のない彼女には荷が重そうだけど、

息子はあなたにあげるのだもの。

これくらいは許して欲しい。


14. 手紙 (ドラマ・卒業後)

それは、彼が去って六度目の春。

「来月帰る。会いたい。」

海を越えて届いた手紙には、ただそれだけ。

なのに、甦ってきた面影に胸が高鳴るのはなぜ?


15. 信仰 (原作・在学中)

ガランと鈴を鳴らして賽銭を放ると一礼二拝。

全員合格出来ますように。

市内の神社は全部回った。

神様お願い、あの悪ガキどもにお助けを。


16. 遊び (原作・卒業後)

柔らかな肌を慈しむ。

官能の扉を一つ一つ開いていく。

秘めやかな場所に唇を落として。

言葉も心も貰ってない俺だけど。

彼女が俺の虜になればいい。


17. 初体験 (原作・結婚後)

大きなガラス窓の向こうにずらり、ベッドが並ぶ。

小さな小さな褥の上の、小さな小さな新しい命。

「お父さんだよ・・・」

一生懸命眠る君に、始めての言葉を贈る。


18. 仕事 (原作・卒業後)

暗い埠頭の波音の中で、バイクのライトがあたしを囲む。

今、助けてやるからな。

どんなに殴られても立ち上がる。

お前はあたしの生徒だからな。


19. 化粧 (ドラマ・卒業後)

白粉を塗って紅を引く。

結い上げた黒髪に笄を挿す。

金襴緞子の帯を締め、白い打掛けを身に纏う。

誓いの杯に口付けて、今宵、お前の元に。


20. 怒り (原作・在学中)

彼女の唇から飛び散る鮮血に全身の血が逆流した。

「駄目だ、許さねーっ!そんなこと!」

叫んでも押さえ込まれた身体は為す術もなくて。

己の弱さに怒りが湧く。


21. 神秘 (ドラマ・卒業後)

その小さな生き物は、俺の血と彼女の血、

双方を引いているのだと言う。

彼女の身体で育まれた俺の一部。

ふたりの絆が、未来に続いていく。


22. 噂 (原作・卒業後)

曰く「極道も一目置く」

曰く「東大現役合格」

曰く「超イケメン」

そんな男、いるわけねぇって思ってたけど。

どうやら俺らの担任をモノにしたのはそいつらしい。


23. 彼と彼女 (ドラマ・在学中)

ぷにっ「ばーか。」

「ああっ。ずるーい、あたしにもやらせろっ。」

「ん、じゃどうぞ。」

ぷにっ「ばーか。」

「ばーか。」

「なんだよー。」

「満足した?」

「・・・した。」

見つめ合って笑い合う。

「あいつら何してんの?」


24. 悲しみ (ドラマ・卒業後)

告別式は冷たい雨だった。

黒衣の人々の群れが連なる。

読経の声と線香の煙が、雨の中たゆたう。

始めて迎える身内の死・・・

彼女の手の温もりが俺を救ってくれた。


25. 生 (原作・卒業後)

情熱が身の内から迸る。

汗と吐息の重ね合わせの果てに。

抱擁と口付けと、律動と。

愛する女に俺の生命の証しを注ぎ込み、

ふたり愉悦の海にしばし漂う。


26. 死 (ドラマ・卒業後)

爆音と銃声と、怒号と悲鳴と。

硝煙のにおい、血のにおい、死のにおい・・・

突然やってきた彼らはすべてを破壊した。

闇の中、逃げ惑いながら君を想う。

生きて、帰りたい。


27. 芝居 (ドラマ・在学中)

「うんざりなんだよ!おめぇらの面倒見んのはよっ!」

生徒達の瞳が突き刺さる。

ごめんな、守るってやるにはもうこれしか手がないんだ。

あたし、上手くやれてるか・・・?


28. 体 (原作・卒業後)

細い身体、華奢な腕、小さな背中・・・

どこにあんなパワーが隠れているのか。

ひらり、ひらり、戦う彼女を見ながら、

「百年かかりそ・・・」

自分の情けなさに唇を噛む。


29. 感謝 (原作・卒業後)

ありがとな、あたしの為に身体張ってくれて。

ありがとな、怪我を押して助けてくれて。

白いベッドの包帯だらけの身体。

感謝の気持ちを眠るお前の唇に。


30. イベント (ドラマ・卒業後)

七夕、ハロウィン、クリスマス、初詣。

バレンタインにホワイトデー、豆撒きに雛祭りまで

付き合ってやったと言うのに。

なぁ、俺の気持ち、気付いてくんねぇ?


31. やわらかさ (ドラマ・在学中)

「どわぁ!」

奇声と共に階段の上から降ってきたのは、俺らの担任。

大量の資料本のオマケ付き、痛みに耐えて抱きとめる。

ああ、見た目よりやわらかいんだ・・・


32. 痛み (原作・卒業後)

身体に楔が穿たれる。

何度も、何度も。

火箸の様に熱く、鋭く、あたしを貫く。

ただ、ひたすら縋り付いて。

無我夢中で登り詰める男についていく。

あたしはお前のものだ。


33. 好き (ドラマ・卒業後)

もう何度めかわからないその言葉を、耳元で囁く。

汗に湿った身体は、俺の下で柔らかく潰れて

甘い吐息が頬をくすぐる。

「あたしも・・・」

囁きに一層煽られる。


34. 今昔(いまむかし)(原作・結婚後)

臨時の仕事に疲れ果てて家へ帰ると、

奥から赤ん坊の泣き声が聞こえた。

「おぉ、よしよし、いいこね。」

優しい妻の声に、ふと慎が生まれた日の事を

思い出した。


35. 渇き (ドラマ・卒業後)

どこまでも広がる乾いた大地に

容赦なく日差しが照りつける。

決して満たされる事のない渇望に日々苛まされる。

これは、お前から逃げてきた

俺への罰なのか。


36. 浪漫 (ドラマ・在学中)

いつか、王子様が迎えにくると思っていた。

焼けた肌に白い歯で、薔薇の花束を抱えて。

なのに、

「馬鹿か、てめぇは。」

口の悪い生徒の、揺れる瞳に癒されている。


37. 季節 (ドラマ・卒業式)

春の桜、夏の日差し、秋の夕暮れ、冬の雪・・・

お前と共に過ごして四つの季節が巡り、俺は今日、制服を脱ぐ。

「もう、お前の生徒じゃない。」

春は、挑戦の季節だ。


38. 別れ (ドラマ・卒業後)

波は今日も彼方から変わらず打ち寄せてくる。

広がる水平線と潮騒に、どれほど癒されただろう。

「ヤンクミ、行こう・・・」

さよなら、沖縄の海。

今日からは、彼と共に。


39. 欲 (原作・卒業後)

自分がこんなにも貪欲だなんて、知らなかった。

拘りも柵も、俺とは無関係だと思っていたのに。

彼女の笑顔、彼女の視線、彼女の触れる場所・・・

すべてを独り占めしたい。


40. 贈り物 (原作・卒業後)

穏やかな午後の日溜まりの中で、子供達が眠っている。

その横で、よく似た寝顔で彼も眠っている。

ありがとう。

そばに居てくれて。

あたしに家族をくれて。


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おつきあい頂きありがとうございました。


実は、えむ様のサイトDo Pang !でえむ様が挑戦していたのに萌え倒してしまって、つい私もと言う事でやっちまいました。えむ様すみません・・・

65文字と言う制約は長いようで短くて、状況を理解してもらえるように書くのがすごく難しいです。結果、訳わからないことになっているものが多いですが、脳内で補完して下さいますと、とっても助かります・・・


2010.5.3    ツキキワの拍手にアップ

2010.5.29  ここにアップ


双極子拝